アウトソーシング

バックオフィス業務のアウトソーシングとは?外注・委託できる業務一覧とメリット・デメリット、委託先の選び方

チームでの業務相談の様子

「請求書の発行は社長が夜にやっている」「経理と総務と採用の窓口を、事務の一人が全部抱えている」。地方の中小企業では、こうしたバックオフィスの状態が珍しくありません。人を採ろうにも、事務職の募集に応募が来ない、来ても教える人がいない、という声もよく聞きます。

そこで選択肢になるのが、バックオフィス業務のアウトソーシング(外注・業務委託)です。先に結論を言うと、手順が決まっている「作業」はかなりの範囲を外部に任せられます。一方で、税金の申告や社会保険の手続きは資格者の業務で、支払の承認や人事の判断は社内に残ります。この線引きを知らずに発注すると、「頼んだのに社内の仕事が減らない」「頼んではいけない相手に頼んでいた」ということが起きます。

この記事では、バックオフィス業務を経理・人事労務・総務・営業事務に分けて「任せられる/資格者のみ/社内に残す」を一覧表で整理し、メリット・デメリット、委託先の種類、発注の進め方、選び方、費用の考え方までを順番に解説します。

この記事でわかること
  • バックオフィスのアウトソーシング・外注・業務委託・BPOの違い
  • 業務別に「任せられる範囲」と「社内に残す範囲」の一覧表
  • 税理士・社労士でないと受けられない業務の線引き
  • 外注のメリット・デメリットと、業務委託でつまずく課題
  • 委託先の種類ごとの向き不向き、発注の6ステップと選び方
この記事の結論(先に要点)
  • バックオフィスのアウトソーシングとは、経理・人事労務・総務・営業事務などの社内業務の一部または全部を、外部に継続的に委託することです。
  • 手順が決まった作業(記帳・請求書発行・給与計算の作業・データ入力・問い合わせの一次対応など)は幅広く任せられます。一方、税務申告は税理士、社会保険・労働保険の手続きは社労士の独占業務で、支払の承認や採用・評価などの経営判断は社内に残します。
  • 委託先はBPO会社・士業事務所・オンラインアシスタント・フリーランスなど。月1回の締め作業や請求書発行など、決まった業務から小さく始めると失敗しにくくなります。
  • 費用は委託料だけでなく、社内で同じ業務を担う場合の人件費・採用費・教育の時間、委託後も社内に残る確認作業の時間まで含めて比べます。

バックオフィス業務のアウトソーシングとは

バックオフィス業務とは、売上を直接生む営業や製造・施工などの「フロント」の仕事を支える、社内向けの業務の総称です。経理(記帳・請求・支払)、人事労務(勤怠・給与・入退社)、総務(備品・契約書・社内の各種手配)、営業事務(見積書や受注データの作成、電話・メールの一次対応)などが含まれます。

バックオフィス業務のアウトソーシングとは、こうした業務の一部または全部を、外部の事業者に継続的に委託することです。言葉の使い分けは厳密ではありませんが、おおむね次のように整理できます。

言葉主な意味
アウトソーシング業務を外部に任せること全般。継続的に、ある程度まとまった範囲を任せる場合に使われることが多い
外注社外に仕事を発注すること。単発の作業にも継続的な業務にも使う
業務委託契約の形の呼び方。成果物を納める「請負」と、作業の遂行を任せる「準委任」がある
BPOBusiness Process Outsourcing の略。業務の流れ(プロセス)ごと設計・運用を任せる考え方

どの言葉で呼んでも、押さえるべき点は同じです。「何を任せて、何を社内に残すか」「誰が誰に指示を出すか」「データをどう受け渡すか」の3つを決めることが、アウトソーシングの中身になります。

【一覧表】バックオフィスで外注・委託できる業務

バックオフィス業務を一つずつ見ていくと、外部に任せられる範囲は次のように分けられます。区分は「任せられる」「条件付き(作業は任せられるが承認や情報提供が社内に残る)」「資格者のみ(法律上、税理士・社労士などに依頼する)」「社内に残す(経営判断)」の4つです。

分野業務区分委託できること/社内に残ること
経理記帳・仕訳入力、月次試算表任せられる証憑を期限までに集めて渡すのは社内
請求書の発行・入金消込任せられる請求金額・取引条件の確定は社内
支払データの作成条件付き振込の承認・実行は社内
税務申告・税務相談資格者のみ税理士・税理士法人の業務
人事労務勤怠データの回収・集計・チェック任せられる勤怠の締めと修正の承認は社内
給与計算の作業・明細作成条件付き人事情報の提供は社内。賃金台帳の作成は社労士の業務範囲に入るため依頼先を確認
社会保険・労働保険の手続き、就業規則資格者のみ社会保険労務士・社労士法人の業務
採用・評価・処遇の判断社内に残す応募者対応や日程調整などの事務は委託できる
総務備品・消耗品の発注、在庫管理任せられる購入の予算と承認ルールは社内
契約書・社内書類の整理、電子化任せられる契約内容の判断や交渉は社内(法的判断は弁護士)
社内マニュアル・手順書の整備任せられるルールそのものの決定は社内
営業事務見積書・受注データの作成、入力任せられる価格・値引きの判断は社内
電話・メール・問い合わせフォームの一次対応条件付き回答の範囲をあらかじめ決め、判断が必要なものは社内へ引き継ぐ
重要顧客との交渉、クレームの最終対応社内に残す経緯の記録や資料作成は委託できる

※区分は一般的な目安です。実際の対応範囲は委託先ごとに異なるため、契約前に業務ごとに確認してください。

経理については、業務ごとの範囲や社内に残す仕事をさらに細かく「経理アウトソーシングはどこまで任せられる?」で解説しています。この記事では経理以外も含めた全体像に絞ります。

一覧表から言えること

外に出せるのは「作業」で、社内に残るのは「承認」と「判断」です。多くの業務は、作業と承認を分けて考えれば作業の部分を外部に出せます。そのうえで、税金と社会保険・労務の手続きだけは、依頼先が資格者かどうかを必ず確認します。

資格者でないと受けられない業務

バックオフィスの外注で特に注意したいのが、法律で資格者の業務と決まっているものです。代表的なのが税理士と社会保険労務士の業務です。

税金の申告・相談は税理士

税理士法第2条は、税務代理、税務書類の作成、税務相談を税理士の業務と定め、同法第52条は税理士・税理士法人でない者がこれらを行うことを禁じています。国税庁は、これらの業務は無償であっても税理士等でない者は行ってはならないと説明しています。一方で、記帳の代行は税理士の独占業務ではありません。記帳は外部の事務代行に任せ、申告は税理士に依頼する、という分け方ができます。

社会保険・労働保険の手続きと就業規則は社労士

社会保険労務士法第2条は、労働・社会保険に関する法令にもとづく申請書等の作成、その提出の代行、帳簿書類の作成などを社労士の業務と定め、同法第27条は、社労士・社労士法人でない者が他人の求めに応じ報酬を得てこれらを業として行うことを禁じています。全国社会保険労務士会連合会は、就業規則の作成と行政機関への提出、雇用関係の助成金の申請書の作成・提出も社労士の業務だと案内しています。詳しくは「労務管理の外部委託はどこまでできる?」で条文とあわせて解説しています。

なお、これらの法律が制限しているのは「他人から頼まれて報酬を得て行うこと」です。自社の社員が自社の申告書や届出書を作ることは問題ありません。

バックオフィスをアウトソーシングするメリット

1. 経営者と現場の時間が本業に戻る

中小企業では、事務作業の担い手が経営者本人や、営業・現場と兼務の社員であることが多くあります。請求書の発行や勤怠の集計を外に出すと、その時間を見積り、顧客対応、現場の管理に使えます。効果を測るなら、委託前に「誰が月に何時間使っているか」を記録しておくと、委託後に比べられます。

2. 「一人しか分からない」状態から抜け出せる

事務を一人の担当者に任せきりにしていると、その人が休んだり辞めたりした瞬間に業務が止まります。外部に委託する過程で、業務の手順が文書になり、締め日や受け渡しのルールが決まります。アウトソーシングの副産物として、業務が「誰でも引き継げる形」になることは、委託料以上の価値になることがあります。

3. 採用・教育をしなくても体制がそろう

事務職を一人採用するには、募集、面接、入社後の教育と、戦力になるまでの時間がかかります。委託先はすでに業務の知識と体制を持っているため、立ち上がりが早いのが利点です。退職による欠員の心配も、委託先の中で担当を交代できる形なら小さくなります。

4. 業務量の波に合わせやすい

決算期、年末調整、繁忙期の受注処理など、バックオフィスの業務量は月や季節で大きく変わります。社内の人員は繁忙期に合わせると閑散期に余り、閑散期に合わせると繁忙期に残業が増えます。委託であれば、業務量に応じて範囲や時間を調整できる契約を選べます。

5. 業務の見直しとデジタル化のきっかけになる

外部に渡すには、紙の書類をデータにする、共有フォルダを整理する、といった準備が必要です。これがそのまま、請求書の電子化や経費精算の見直しにつながります。請求書まわりの進め方は「中小企業の請求書電子化とインボイス対応」で解説しています。

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デメリットと、業務委託でよくある課題

アウトソーシングには、あらかじめ知っておきたいデメリットもあります。多くは事前の取り決めで小さくできます。

デメリット・課題起きること防ぎ方
社内にノウハウが残りにくい数字や手続きの中身を社内で誰も説明できなくなる月次で報告を受けて確認する担当を社内に置く。手順書は自社でも保管する
やり取りの手間が増える確認の往復が多く、かえって時間がかかる受け渡しの方法・締め日・質問の窓口を最初に決める
急ぎの対応がしにくい「今日中に請求書を出したい」が通らない対応時間と、急ぎの場合の扱いを契約で決めておく
情報漏えいのリスク従業員や取引先の個人情報、金額情報が外に出る委託先の管理体制を確認し、契約で取り扱いのルールを決める
範囲のずれ「それは契約外です」で作業が止まる、追加料金が発生する業務ごとに範囲と件数を書き出し、見積りの前提をそろえる
委託先への依存委託先を変えたいときにデータや手順が手元にないデータの保管場所は自社のアカウントにし、解約時の引き継ぎ方法を決めておく

「業務委託 課題」として最もよく聞くのは、丸投げしたことで、社内の誰も状況を把握していないという状態です。委託しても、資料を渡す役割と結果を確認する役割は社内に残ります。この2つの担当者を決めずに始めると、処理が遅れても誰も気づかず、数字を見て判断することもできなくなります。

委託先の種類と選び分け

バックオフィスの委託先にはいくつかの種類があり、得意な範囲が違います。

委託先向いている業務注意点
税理士事務所記帳から決算、税務申告までの一貫した対応請求書発行や総務などの日常事務は範囲外のことが多い
社会保険労務士事務所社会保険・労働保険の手続き、就業規則、給与計算勤怠の回収や社内の書類集めは自社で行う前提のことが多い
事務代行・BPO会社経理・総務・営業事務など、複数の分野の定型作業資格が必要な業務は別途、税理士・社労士への依頼が必要
オンラインアシスタント・フリーランス時間単位での事務作業、データ入力、資料作成担当者個人のスキルに左右されやすい。取引条件の明示や情報管理のルールが必要
派遣(参考)社内で指示を出しながら働いてもらいたい場合アウトソーシングではなく、社内で人を受け入れて指示・管理する形

中小企業でよくある組み合わせは、申告は税理士、手続きは社労士、日常の事務作業は事務代行という三者の分担です。この場合、三者の間を誰がつなぐのか(証憑をどこに置き、誰が税理士に渡すのか)を決めておかないと、社内の手間が逆に増えます。

個人のフリーランスに委託する場合は、2024年11月に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法により、業務委託をしたら直ちに、業務の内容、報酬の額、支払期日などの取引条件を書面またはメール等で明示する必要があります。口頭で済ませてきた発注も、この機会に書面化しておきましょう。

業務委託と派遣の違い:直接指示はできない

バックオフィスの外注で意外と知られていないのが、業務委託と派遣の違いです。厚生労働省の基準(いわゆる37号告示)では、請負として認められるには、受託した事業者が自分の雇う労働者に対して、業務の進め方の指示や管理を自ら行っていることが求められます。

つまり、業務委託では発注した会社が委託先のスタッフに「この順番でやって」「今日はこれを優先して」と直接指示することはできません。指示や変更の依頼は、契約の当事者である委託先の責任者に対して行います。業務委託の形のまま、実態として社員のように直接指示を出していると、偽装請負と判断されるおそれがあります。

「社内に来てもらって、隣で指示を出しながら手伝ってほしい」なら派遣、「やり方は任せるので、決めた範囲の業務を処理してほしい」なら業務委託、と考えると選びやすくなります。

バックオフィス業務を発注する6ステップ

「事務を全部お願いしたい」と相談しても、範囲が決まらなければ見積りも業務設計もできません。次の順番で進めると、無理なく移行できます。

01

業務を書き出す

業務名・担当者・頻度・月間件数・所要時間を一覧にする。1か月分、実際の作業を記録すると正確になる

02

作業と判断を分ける

各業務を「作業」と「承認・判断」に分解し、外に出す作業を選ぶ。資格者の業務は別枠にする

03

受け渡しを決める

証憑や勤怠データの置き場所、締め日、提出期限、質問の窓口、使うソフトを決める

04

見積りと契約

同じ前提で複数社に見積りを依頼。範囲・納期・追加料金・情報管理・解約時の扱いを書面で確認する

05

小さく始める

最初は1〜2業務に絞り、1〜2か月は社内と並走して、差し戻しの多い箇所を手順書に直す

06

見直して広げる

3か月ほどで、削減できた時間と残った社内作業を確認し、範囲を広げるか判断する

もっとも見落とされやすいのは03です。誰がいつまでに何を渡すのかが曖昧なままだと、委託先の作業が止まり、「外注したのに早くならない」という不満につながります。

委託先の選び方:契約前に確認すること

価格だけで選ぶと、対応範囲が狭くて社内作業が残る、ということが起きがちです。次の観点で比べましょう。

  • 業務範囲と件数の前提が明確か——見積りが「何件まで」「どの作業まで」を前提にしているか。超えた場合の扱いはどうか
  • 資格が必要な業務を誰が担うか——税務申告や社会保険の手続きは税理士・社労士が担当するのか、自社で別途依頼するのか。社労士の業務を資格のない会社が受けて再委託する形は避ける
  • 情報管理の体制——個人情報保護法第25条により、個人データの取り扱いを委託する会社は委託先に対して必要かつ適切な監督を行う義務があります。管理体制の説明、アクセス権限、再委託の有無を確認する
  • 連絡手段と返信の速さ——メール、チャット、電話のどれで、何時間以内に返事が来るか
  • 使っているソフトに対応できるか——会計ソフト、給与ソフト、勤怠システムを変えずに済むか
  • 担当者が替わったときの引き継ぎ——手順書が委託先の中で共有されているか
  • 解約時のデータと手順の扱い——データは自社に残るか、手順書は受け取れるか

地方の中小企業の場合、「困ったときに話が通じるか」も大事な基準です。業界特有の書類や取引慣行(手書きの納品書、FAXでの注文など)を理解してもらえるかは、最初の打ち合わせで実際の書類を見せて確認すると分かります。

費用の考え方:何と何を比べるか

アウトソーシングの料金体系は、大きく次の3つに分かれます。

料金体系特徴向いている業務
月額固定決まった範囲を毎月一定額で任せる。予算を立てやすい記帳、給与計算など毎月の量が安定している業務
件数・従量制仕訳数、請求書の枚数、人数などに応じて変わる月によって件数が大きく変わる業務
時間制作業時間に応じて支払う。範囲の変更に柔軟内容が月ごとに変わる事務作業、スポットの作業

比べるべきは委託料の金額だけではありません。社内で同じ業務を担う場合の給与・社会保険料・採用費・教育の時間と、委託した後も社内に残る資料の準備と確認の時間を含めた総額で比べます。

見積りを依頼するときは、ステップ01で書き出した業務一覧を渡し、「範囲」「月間件数」「締め日と納期」「追加料金がかかる条件」をそろえてもらうと、委託先どうしを同じ物差しで比べられます。逆に言えば、業務一覧がないまま取った見積りは、比較の材料になりにくいということです。

なお、生成AIなどのツールで社内処理を軽くする方法と、外部に委託する方法は、どちらか一方ではなく組み合わせて考えるのが現実的です。ツールでの効率化については「AIで業務効率化」の記事も参考にしてください。

外注を始める前のチェックリスト

委託先に相談する前に、次の項目を社内で確認しておくと、話が早く進みます。

バックオフィス外注 準備チェック

  • バックオフィス業務を、業務名・担当者・頻度・所要時間で書き出している
  • 各業務の月間件数(仕訳数、請求書枚数、従業員数など)をおおよそ把握している
  • 各業務を「作業」と「承認・判断」に分けられている
  • 税務申告を誰に頼んでいるか、社会保険の手続きを誰が行っているか把握している
  • 使っている会計・給与・勤怠のソフトと、データの保存場所が分かる
  • 証憑や勤怠データを、誰がいつまでに集めるか決まっている
  • 委託先からの報告を受けて確認する社内の担当者を決めている
  • 個人情報を渡す範囲と、委託先に求める管理のルールを決めている
  • 委託先を変えるときにデータと手順書を引き継げる形にする方針がある

未確認の項目が多い場合は、まず業務の書き出しから始めるのが近道です。書き出しができれば、どこまで任せるかの判断も見積りも具体的になります。

よくある質問

バックオフィス業務は、どこまで外注できますか?

記帳、請求書の発行、勤怠データの集計、給与計算の作業、入退社書類の回収、備品の発注、データ入力、問い合わせの一次対応など、手順が決まっている作業の多くは外部に任せられます。ただし、税務申告書の作成や税務相談は税理士、社会保険・労働保険の届出書の作成や提出代行、就業規則の作成は社会保険労務士の業務です。また、支払の承認や採用・評価の判断など、経営判断にあたる部分は社内に残す必要があります。

業務委託と派遣は何が違いますか?

一番の違いは、誰が作業者に指示を出すかです。派遣では、受け入れた会社が派遣スタッフに直接仕事の指示を出せます。業務委託(請負・準委任)では、作業の進め方の指示や管理は委託先が行い、発注した会社が委託先のスタッフに直接指揮命令をすることはできません。業務委託の形をとりながら実態として直接指示を出していると、いわゆる偽装請負と判断されるおそれがあります。

小さな会社でも、バックオフィスのアウトソーシングを使う意味はありますか?

あります。むしろ、経理や総務の専任者を置けない小さな会社ほど、経営者や現場の社員が事務作業を抱え込みやすく、外部に出す効果が見えやすい傾向があります。業務量が少ないうちは、月に一度の締め作業や請求書の発行など、決まった作業だけを切り出す形から始めると、費用も運用の負担も抑えられます。

フリーランスやオンラインアシスタントに頼むときの注意点は?

個人のフリーランスに業務を委託する場合は、フリーランス・事業者間取引適正化等法により、業務委託をしたらすぐに、業務の内容・報酬の額・支払期日などの取引条件を書面またはメール等で明示する必要があります。また、従業員や取引先の個人情報を扱わせる場合は、個人情報保護法にもとづき、委託先を適切に選び、契約で取り扱いのルールを決め、その後も取り扱い状況を把握する必要があります。

アウトソーシングの費用はどう比べればよいですか?

委託料の金額だけでなく、社内で同じ業務を担う場合の人件費・社会保険料・採用費・教育の時間、そして委託後も社内に残る確認作業の時間を含めて比べます。見積りを取るときは、業務の範囲、月間の件数、締め日と納期、追加料金がかかる条件をそろえて依頼すると、委託先どうしの比較がしやすくなります。

まとめ

バックオフィス業務のアウトソーシングでは、記帳や請求書の発行、勤怠の集計、給与計算の作業、備品の発注、データ入力など、手順の決まった作業の多くを外部に任せられます。一方で、税務申告は税理士、社会保険の手続きや就業規則は社労士の業務で、支払の承認や人事の判断は社内に残ります。

うまくいくかどうかは、委託先選びよりも前の準備で決まります。業務を書き出し、作業と判断を分け、受け渡しのルールを決めてから、1〜2業務で小さく始める。そして、資料を渡す人と結果を確認する人を社内に置く。この順番を守れば、外注は「一人に頼りきり」の状態から抜け出す現実的な手段になります。

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  • バックオフィス業務の書き出しと、「任せる作業」と「社内に残す判断」の仕分け
  • 記帳・請求書発行・入金確認など経理事務の代行
  • 勤怠データの回収・集計、入退社書類の回収など人事労務まわりの事務
  • 見積書・受注データの作成、問い合わせの一次対応などの事務代行
  • 手順書づくりと、請求書の電子化・AIツールを使った効率化の支援

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参考資料

  • e-Gov法令検索「税理士法」(第2条 税理士の業務、第52条 税理士業務の制限) Web
  • 国税庁「国税庁レポート2026」Ⅶ 税理士業務の適正な運営の確保 PDF
  • e-Gov法令検索「社会保険労務士法」(第2条 社会保険労務士の業務、第27条 業務の制限) Web
  • 全国社会保険労務士会連合会「社労士じゃナイト、出来ないことがある。」 Web
  • 厚生労働省「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(昭和61年労働省告示第37号) PDF
  • 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」 Web
  • 公正取引委員会「フリーランス・事業者間取引適正化等法」パンフレット PDF

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Profile

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金井 泰幸

offtie 代表。GMOインターネットグループでのデジタルマーケティング支援を経て独立。地域に根差した企業の「伴走役」として、ホームページやSNS・Web広告による発信、AIを使った業務効率化、人手の足りない業務の代行まで、会社の困りごとをまとめて支援している。